第A章 ActiveX の取り込み

第A章の構成
A-1 メディアプレイヤーコンポーネント
A-2 Windows Media Player
A-3 ActiveX コントロール
A-4 API

【学習内容とねらい】

これまで、サウンドに関しては触れてきませんでした。しかし、皆はごく自然にパソコンでゲームの効果音や音楽を楽しんでいることと思います。そこで、本章ではまず、Delphi を用いて音源を再生する方法を簡単に学習します。そして、そこを入り口として ActiveX コントロールの使用方法へと発展させて行きます。

さて、ActiveX コントロールとは何でしょうか?「それは、Microsoft 社が推進しているソフトウェア開発に関する技術体系であり、OLE 技術を発展させた…」等という巷の書籍に見られるような説明はここではしません。皆にとっては、ActiveX コントロールはコンポーネントのようなもの、ととらえると分かりやすいと思います。例えば、表計算の機能が ActiveX コントロールとして用意されていると、それを Delphi に取り込むことで、あたかも表計算コンポーネントとして利用することができるのです。このように、あるアプリケーションソフトウェアが ActiveX コントロールとして用意されていると、それを他のソフトウェアに取り込むことができまず。ここがポイントなのです。

本章では、ActiveX コントロールとして用意されている Windows Media Player やインターネットのブラウザを Delphi のフォーム上に取り込み、動作させる例題を学習します。これで、ActiveX コントロールの利用方法は分かるでしょう

ところで、MS の Internet Explorer は ActiveX コントロールをサポートしています。ですから、もし、ネットワークを通じて、あるアプリケーションの ActiveX コントロールがダウンロードされたら、ブラウザ上でそのソフトウェアを動作させることができます。このように、手元にアプリケーションがなくても、インターネットを介してあらゆる作業をブラウザ上で行えるようにする、というねらいが、ActiveX には込められているようです。一方、最近、勝手に国際電話につなげてしまう等の不正な処理をする ActiveX の存在が報道されています。良くも悪くも、JAVA のアプレット同様、今後のネットワーク社会を考える上で、ActiveX は重要なキーワードになるでしょう。