- 更新 12/20,2011-

― 葛 西 俊 治 ― 紀要・論文・研究サイト  

(札幌学院大学人文学部臨床心理学科教授)



 ★近況や関連情報など★ 
  • 来年度前期に「身体心理療法」の講義が始まります!
    調べた範囲では国内では初めての講義となります。ご期待ください。

  • 「ダンスセラピー・リーダー資格」
    全国の大学では唯一、札幌学院大学臨床心理学科の科目で取得できます。
    今年から葛西ゼミでも資格取得できます。
    * 学科学生のための申し込みサイト http://psystat.com/dt/

  • 精神科ディケアでの「ダンスセラピー」
    1999年から開始した精神科ディケアでの一回2時間のプログラム、
    ほぼ毎週実施して、2012年で13年目となります!
    海外や国内での実践体験をさらに活用していきます。


身体心理学・身体心理療法に関連して

[身体心理療法:学生向けのブログ]

  • 葛西俊治
    「面談時における優先コミュニケーション・チャンネルの基礎研究―関連性評定質的分析を用いて―」
    学会発表: 日本人間性心理学会第29回大会,208-209, 2010

    身体心理学や身体心理療法など、身体と心理の関係を長年追求してきた中で、体感型に属すのはかなり少数であることを痛感してきた。そのために身体心理的アプローチが長年、低調のまま推移してきたのではないかと考えた。この研究では、簡単な視覚的なイメージ課題においても、視覚型・触覚型・聴覚型・概念型などなどの多様なチャンネルが存在することを確認することができた。なお、分析方法としては関連性評定質的分析を用いた。
    キーワード: 優先コミュニケーション・チャンネル、間身体性、ミラー・ニューロン、
    神経言語プログラミング、関連性評定質的分析、数量化理論V類

  • 海外通信→「身体心理療法」イギリス2009-2010
    2009年度、イギリス Hertfordshire大学に滞在してダンスセラピー関係の研究を行いました。

  • 番外→「カサイト先生のリラクセイション講座」

  • Toshiharu KASAI
    "The Arm-Standing Exercise for Psychosomatic Training"
    Research note: Sapporo Gakuin University Bulletin of Faculty of Humanities, No.77, pp.77-81, 2004
    タイトル「身体心理的訓練としての腕の立ち上げエクササイズ」

    身体心理学的実践としての舞踏ダンスメソドに含まれる「腕の立ち上げ」レッスンについての解説です。

  • 葛西俊治 
    「身体心理療法の基本原理とボディラーニング・セラピーの視点」 
  • 論文: 札幌学院大学人文学会紀要 第80号,pp.85-141, 2006

    「身体は無意識内界を映し出す」という基本的立脚点に基づいて、身体心理療法の基本的原理とその心理学上の位置づけを示した論文。また、腕の脱力の困難さ に関する実験的確認により明らかになったリラクセイションの原理的困難さを克服するために、身心リラクセイションに関わる三つの主要な実践的アプローチ、 「竹内敏晴レッスン・野口体操・暗黒舞踏」を組み込んで展開されてきた「ボディラーニング・セラピー (身体的学習による身体心理療法)」とその実践的視点を紹介している。(56頁。下記のキーワードについて解説されている)

    キーワード: 身体心理学、ボディラーニング・セラピー、ダンスムーブメント・セラピー、舞踏ダンスメソド、暗黒舞踏、社会性緊張、自律性解放、ラベリング理論、認知行 動療法、一般意味論、学習性無力感、ダブルバインド、トラウマ、筋肉の鎧、バイオエナジェティックス、エリクソン催眠、アフォーダンス、能動的想像法、解 離性人格障害、状態依存記憶、後催眠暗示、隠れた観察者、変性意識状態、悪魔祓い、欲求階層説、X理論Y理論、経営行動科学、からだあそび、リラクセイ ション、対峙

  • Toshiharu Kasai
    "New understandings of Butoh Creation and Creative Autopoietic Butoh -
    From Subconscious Hidden Observer to Perturbation of Body-Mind System"
  • 論文 (英文): 札幌学院大学人文学会紀要 2009年度 No.86, 21-36

    「舞踏の創造についての新たな理解と創造的でオートポイエティックな舞踏―
    下意識の隠れた観察者から身心システムの摂動まで」

    [日本語試訳] (12/28, 2009)

    Key words: Butoh, autopoiesis, Hijikata, Ohno, performing art, creativity, psychosomatic, mirror neuron, somesthesia, dance therapy, posthypnotic suggestion, hidden observer, state bound memory, affordance, catastrophe, butterfly effect, chaos, perturbation, antagonistic movement, choreograph, improvisation, primary process, individualization, Cartesian dichotomy, Noguchi Taiso

    舞踏、オートポイエーシス、土方巽、大野一雄、パフォーミング・アート、創造性、身体心理、ミラーニューロン、体感、ダンスセラピー、後催眠暗示、隠れた観察者、状態依存記憶、アフォーダンス、カタストロフィー、バタフライ効果、カオス、摂動、拮抗運動、コレオグラフィー、インプロビゼーション、一次過程、個性化、デカルト的二元論、野口体操


    現在の状況: 暗黒舞踏は海外ではButohとして知られコンテンポラリー・ダンスの一領域とされている。しかし、欧米的で自我中心的ego-centricな概念を用いた議論ではButohの本質的な創造性は把握できず、ダンスセラピーなどの身体心理療法的な展開におけるButohの意義も旧来のダンスセラピー概念では把握されない。本論文は「下意識の隠れた観察者」・アフォーダンスなど、身心制御の多重性と多様性を中心に、身体的動作の創造的で心理療法的な位置づけを新たに試みている。


臨床心理学の研究法に関して


  • 研究ノート→「χ2検定電卓 カサイクン1号」ソフト
    (8/23追加, 2011)  New ! 

  • 研究ノート→「検定力分析のすすめ」「検定力分析ソフトG*Powerの使い方」
    (開始2/26, 更新3/4, 2011)

  • 研究ノート→「尤度比・オッズ・ベイズの定理」の計算と解説(4/15,2010 追加)

  • 葛西俊治
    「平均値は分かったけれど…。」―母集団無記のお話―
    「心理学ワールド」第42号 pp21-31,2008から *

  • 葛西俊治
    「関連性評定質的分析による逐語録研究 ― その基本的な考え方と分析の実際 ―」
    論文: 札幌学院大学人文学会紀要 第83号,61-100,2008

    発想法という位置づけにあるKJ法に一定の制限を加えることによって、林の数量化理論三類、二類、一類という数理的分析法による把握と、長田による形式概念解析ソフトによる分析を行うもので、質的アプローチと数理的アプローチの統合をはかっている。グランデッド・セオリーGTAによる質的研究が抽象度の高いカテゴリーを輩出することで、詳細な実態把握に難点を抱えるのに対して、KH法(略称)は語り手の具体的で個別性の高い内容を見落とさない工夫として、提喩的把握という言語学的視点を取り入れている点に特色がある。また、「要約モデル」と「解釈モデル」の提起に際して、内的妥当性・外的妥当性についての明確な位置づけを試みている。
    キーワード: KJ法、数量化理論、形式概念解析、オートポイエーシス、解釈モデル、提喩的認識、内的妥当性、対偶
    現在の状況: KH法はすでに実際の研究論文作成に用いられ一定の実績を積み重ねてきている。たとえば、「強迫観念についての把握」「性教育を指導するピア・カウンセリングの問題点」「病院における看護師の意識」「糖尿病におけるノン・コンプライアンス言動に関わる把握」「援助行動における意識」「高齢での介護における希死念慮」等々、いずれも逐語録あるいは自由記述回答を対象として質的および数理的解析が行われている。
    GTAやIPAにおける「サブカテゴリーとカテゴリー」といった抽象化によって生じるような問題を乗り越え、現場の実態把握とそれに基づくモデル提起に一定の成果が得られている。


★逐語録の関連性評定質的分析について

KJ法的アプローチにいくつかの制限をおくことで、「空間配置図」から数量的な分 析図とラベル構造の分析図を生成できます。そのための「分析の実際」については2007年後期からサイトにて公開しています。
 これに関連して、「一人から少人数に対する質問紙の質的分析」が「形式概念解析」(長 田博泰:札幌学院大学社会情報学部社会情報学科教授による解析プロ グラム: 6/21,2007追加) によって分析可能となっています。
 GTAやIPAのコード化作業によって失われがちな現場の実際的情報を維持しながら質的研究を行う「関連性評定質的分析」の理論化と実際的方法が整って きましたので、修論や博士論文あるいは質的研究を用いる心理・看護・教育などの領域における研究をサポート中です。
年に数回、KH法講習会を開催しておりますので、関心のある方は下記のメールアドレスまでお尋ね下さい。 (1/20, 2011)





「関連性評定質的分析」サイト


理論的メモと分析の実際について解説中
(更新 2/12, 2011)



★コンジョイント分析の面談時実行と即時提示による聞き取り

長時間の聞き取 りによる逐語録などの分析は、KJ法的な方法では時間がかかりすぎるため、あまり現実的ではありません。したがって、KJ法的な方法を用いるためには、聞 き取りそのものがより適確であり、テーマに即した適切な聞き取りを比較的短い時間で実現することが重要となります。
 その場合、面談時にテーマに関する簡単な評価作業を行ってもらい、その内容を即座に分析して被検者に提示することによって、聞き取りの内容をより精緻な ものにしていくという方法をとることができます。コンジョイント分析はテーマに関する複数の要因について、被検者にとってそれぞれどの程度の重要性がある かを割り出す分析法で す。これを面談時に実施して直ちに分析し、得られた結果を被検者に提示することによって聞き取りをより適確なものとすることができます。(PAC分析、すなわち個人別態度構造分析とは 違います が発想には似た点があります。)
 上に示した山崎奈穂『中学教師と臨床心理士の、子どもの援助様式についての一考察 ― 8名へのインタビュー調査による事例研究的アプローチ ―』では、コンジョイント分 析の面談時実施・即時提示方式によって、スクールカウンセラーと教師との不登校児に対する対応の微細な差違を見いだすことができました。 このように、質的アプローチをより適確にものにするために、数量的方法を併用するという方針で「関連性評定質的分析」も組み立てられています。
(4/15, 2007)


  • 葛西俊治
    「心理学的研究における統計的有意性検定の適用限界」
    論文: 札幌学院大学人文学会紀要 第79号, pp.45-78, 2006

    長年問題となっている有意性検定について吟味し、研究結果の一般化を求めて行われる統計的検定の厳密さとは裏腹に、得られた検定結果の解釈が「たとえ話」 的な位置づけにあることを指摘している。
    キーワード: 解釈的質的心理学、数量的心理学、統計的有意性検定、有意水準、母集団、標本抽出、人間の斉一性、一般意味論、無記
    現在の状況: こうした一編の論文が書かれることによって心理学領域などでの数量的アプローチの実情が 一挙に変化するはずもありません。ただし、統計的有意性検定によって研究結果の一般性を主張しうるという理解は、少なくとも心理学を含む社会科学領域にお いては相当に困難になったといえます。そのため、解釈的アプローチや個性記述的アプローチ(idiographic approach)が、「一般化に至らない」という論拠のみによって誹謗されるといった「暴挙」に対しては一定の歯止めとなっていると考えられます。
  • 葛西俊治
    「解釈的心理学研究における理論的基 盤とア ブダ クションに基づくモデル構成法」
    論文: 札幌学院大学人文学会紀要 第78号,pp.1-26, 2005

    面接などでの逐語分析・プロトコル解釈が提喩的認識によって一般的に了解される経緯を、解釈的アプローチの基本構造と共に提示。その際、現象学的観点では なく、認識の比喩性という点に「了解」の基盤を求めている。
    キーワード: 質的心理学、解釈的アプローチ、措定、事実性、アブダクション、提喩、一般意味論、多重併存モデル

    現在の状況:  「アブダクションに基づくモデル構成法」という方 法は、川喜多二郎によるKJ法の理念と共通性がありま す。「演繹・帰納」の間に挟まっている「アブダクションabduction」(C.S.Pierce)を「発想法」と名付けたのが川喜多二郎であること、 その具体的実践技術がKJ法である訳です。この論文は結果的にKJ法の理論的背景の一端を示したことにもなるでしょう。この論文で述べている「アブダク ションに基づくモデル構成法」は技法としてのKJ法と親和性が高いので、現在、臨床心理学的な面接記録・プロトコルをKJ法的な発想を主柱にして構造化す るという実践的技法の開発を行っています。2005年度の修士論文の一つ、山崎奈穂『中学教師と臨床心理士の、子どもの援助様式についての一考察 ― 8名へのインタビュー調査による事例研究的アプローチ ―』において、KJ法を応用した方法での研究が行われました。

    *2006年度の修士論文として、畑野美智子『子どもを亡くした母親の悲嘆に関する研究 〜 中年期に一人しかいない子どもを小児がんで亡くした母親との面接を通して』という研究が、対象者三名からの逐語録に基づいてKJ法的方法で行われました。


  • * 紀要に掲載された上記の論文はpdfファイルへの転換に伴って、
    ページ番号・行数にズレがあります。
    必要な方は別刷りをまでご請求ください。*



    Since Feb.2006
    edited by ez-HTML