Delphi のプログラムコードは、interface 部と呼ばれる部分と implementation 部と呼ばれる部分に分かれています。この、Delphi で interface 部と呼ばれる部分が、C++ ではヘッダファイルと呼ばれる別のファイル (拡張子は「.h」) になっています。
このヘッダファイルを開くには、コードエディタの上で右クリックし、「ソース/ヘッダー ファイルを開く」を選びます。
【基礎課題 5-4】で扱った関数 Average は、x, y, z の3つの整数を受け取り、1つの実数を返します。Delphi では
function TForm1.Average(x, y, z: Integer): Real; begin Average := (x + y + z) / 3; end;
と書きましたが、C++Builder では
double TForm1::Averate(int x, int y, int z) { return (x + y + z) / 3; }
となります。この2つを見比べて分かるように、C++Builder では
Delphi における関数 function と手続き procedure は、C++ ではどちらも関数です。Delphi の手続き function は C++ では「返り値を持たない関数」として、返り値の型に void (何もない) を指定します。
【基礎課題 7-4】のような、線を引く手続き Line は、Delphi では
procedure TForm1.Line(x1, y1, x2, y2: Integer; cl: TColor); begin 〔省略〕 end;
となりますが、これが C++Builder では
void TForm1::Line(int x1, int y1, int x2, int y2, TColor cl) { 〔省略〕 }
となります。
5-5 の Keisan や Hantei は、Delphi では
procedure TForm1.Keisan; begin 〔省略〕 end;
と書きましたが、このように引数がないものは、C++ では
void TForm1::Keisan(void) { 〔省略〕 }
というように、引数がないことを示すために必ず (void) と書きます。
補足 実は最近のC++では、例えば Keisan() と記述しても引数がないと解釈してくれます。しかし、C言語では引数が不定と解釈されてしまい、不都合が生ずることがあります。いずれにしても、よいプログラミングという観点から、明示的に (void) と記述することを強く勧めます。
Delphi でよく使われる uses 節は、C++ では #include 文になります。例えば、Delphi で
uses abc;
とあった場合、C++ では
#include <abc.h> // 標準として C++Builder に最初から備わっているユニットの場合
又は
#include "abc.h" // プログラマが自分で作ったユニットの場合
と書きます。