Windows 上のプログラムは、マウスクリックや特定キーの入力によって、所定の処理が始まることが普通です。この時のマウスクリックなどの動作(アクション)を「イベント」と呼びます。そしてそのイベント発生時の処理内容を記述したプログラムを「イベントプロシージャ」と呼びます。
あるイベント(アクション)に対して、所定の処理(イベントプロシージャ)が起動するというプログラミングのスタイルは「イベント駆動型プログラミング」と呼ばれます。実は「イベント駆動型プログラミング」は新しいプログラミング・スタイルであり、Windows の普及によって広まったプログラミング・スタイルと言っていいでしょう。
この「イベント駆動型プログラミング」を容易に実現できるように…という考えで開発されたのが「ビジュアルプログラミング」というプログラム開発スタイルなのです。ですから、ビジュアルプログラミングをマスターする上で、「イベント」および「イベントプロシージャ」の概念をよく理解しておくことは最も重要なことであり、それが本章の学習の目的なのです。
VisualBasic では、各コンポーネントに対して、様々なイベントが用意されており、プログラマは適当な「イベント」を選択するだけで良いようになっています。その中でも代表的なものは「コマンドボタン」コンポーネントに対する「クリック」イベントでしょう。「コマンドボタン」はクリック(押される)ために存在しているようなものだからです。本章では、この「コマンドボタンクリック」イベントを典型的なイベントと捉え、コマンドボタンをクリックした時に何らかの処理を行うプログラムを作成します。この“何らかの”処理を記述する部分がイベントプロシージャなのですが、イベントプロシージャを記述する事が、プログラマが行う主な仕事です。恐らく皆が「プログラムを書く」ということからイメージされる作業が、このイベントプロシージャの作成に当たるでしょう。
いよいよここで、自分で(処理内容を)プログラミングする第一歩を踏み出します。