前ページでつくった絶対値を求めるプログラムを改変します。まず、新しい名前でプログラムを保存し直してください。
まず、関数 Zettaichi の宣言の部分を削除して下さい。
さらに、関数 Zettaichi の定義部分を削除してください。
最後に、「Zettaichi」を「Abs」に変えてください。
すべて保存してからプログラムを実行して、動作を確かめてください。
…先ほどと同様うまく動作するはずです。
「Zettaichi」は、数の絶対値を返す関数でした。
「Abs」も、数の絶対値を返す関数として機能しています。
でも少し腑に落ちませんね。
「Zettaichi」は、関数の定義部分
function TForm1.Zettaichi(a: Integer): Integer; begin ・ ・ ・ end;
が必要だったのに、Abs に関してはわれわれは何もしていません。
Abs は、どうして関数の定義部分がいらないのでしょうか?
実は、Abs 関数の定義部分は Delphi の“内部”にあるのです。Delphi (正確に言うと PASCAL 言語) は、Abs 関数の他にも様々な関数を定義しています。これらは「組み込み関数」と呼ばれます。われわれは、それらの関数を、定義することなく使うことができるのです。
関数名 | 例 |
---|---|
Abs() (絶対値関数) | Abs(-3)=3 |
Sqr() | Sqr(4)=16 |
Sqrt() | Sqrt(9)=3 |
Sin() (サイン関数) | Sin(0)=0 |
Cos() (コサイン関数) | Cos(0)=1 |
Ln() (対数関数) | Ln(2.71828)=0.999999327347282 |
Exp() (指数関数) | Exp(1)=2.71828182845905 |