5-10 関数 (3) ―関数を使う―

【基礎課題 5-6】

前ページでつくった絶対値を求めるプログラムを改変します。まず、新しい名前でプログラムを保存し直してください。

まず、関数 Zettaichi の宣言の部分を削除して下さい。

さらに、関数 Zettaichi の定義部分を削除してください。

最後に、「Zettaichi」を「Abs」に変えてください。

すべて保存してからプログラムを実行して、動作を確かめてください。

…先ほどと同様うまく動作するはずです。

Zettaichi」は、数の絶対値を返す関数でした。

Abs」も、数の絶対値を返す関数として機能しています。

でも少し腑に落ちませんね。

Zettaichi」は、関数の定義部分

function TForm1.Zettaichi(a: Integer): Integer;
begin
  ・
  ・
  ・
end;

が必要だったのに、Abs に関してはわれわれは何もしていません。

Abs は、どうして関数の定義部分がいらないのでしょうか?

実は、Abs 関数の定義部分は Delphi の“内部”にあるのです。Delphi (正確に言うと PASCAL 言語) は、Abs 関数の他にも様々な関数を定義しています。これらは「組み込み関数」と呼ばれます。われわれは、それらの関数を、定義することなく使うことができるのです。

定義せずに使える関数の例
関数名
Abs() (絶対値関数) Abs(-3)=3
Sqr() Sqr(4)=16
Sqrt() Sqrt(9)=3
Sin() (サイン関数) Sin(0)=0
Cos() (コサイン関数) Cos(0)=1
Ln() (対数関数) Ln(2.71828)=0.999999327347282
Exp() (指数関数) Exp(1)=2.71828182845905