2-1 | コピープログラムを作ろう |
2-2 | イベントとイベントハンドラの練習 |
Windows 上のプログラムは、マウスクリックや特定キーの入力によって、所定の処理が始まることが普通です。この時のマウスクリックなどの動作 (アクション) を「イベント」と呼びます。そしてそのイベント発生時の処理内容を記述したプログラムを「イベントハンドラ」と呼びます (厳密な定義ではありませんが、ここでは気にする必要はありません) 。「handle (ハンドル)」にはさばく、あるいは処理するという意味がありますが、イベントに対する処理を行うもの「handler (ハンドラ)」という意味から、イベントハンドラと呼ばれるのです。
あるイベント (アクション) に対して、所定の処理 (イベントハンドラ) が起動するというプログラミングのスタイルは「イベント駆動型プログラミング」と呼ばれます。実は「イベント駆動型プログラミング」は新しいプログラミング・スタイルであり、Windows の普及によって広まったプログラミング・スタイルと言っていいでしょう。
この「イベント駆動型プログラミング」を容易に実現できるように…という考えで開発されたのが「ビジュアルプログラミング」というプログラム開発スタイルなのです。ですから、ビジュアルプログラミングをマスターする上で、「イベント」および「イベントハンドラ」の概念をよく理解しておくことは最も重要なことであり、それが本章の学習の目的なのです。
Delphi では、各コンポーネントに対して、様々なイベントが用意されており、プログラマは適当な「イベント」を選択するだけで良いようになっています。その中でも代表的なものは「ボタン」コンポーネントに対する「クリック」イベントでしょう。「ボタン」はクリック (押される) ために存在しているようなものだからです。本章では、この「ボタンクリック」イベントを典型的なイベントと捉え、ボタンをクリックした時に何らかの処理を行うプログラムを作成します。この“何らかの”処理を記述する部分がイベントハンドラなのですが、イベントハンドラを記述する事が、プログラマが行う主な仕事です。恐らく皆が「プログラムを書く」ということからイメージされる作業が、このイベントハンドラの作成に当たるでしょう。
いよいよここで、自分で (処理内容を) プログラミングする第一歩を踏み出します。