10-1 | ボスインベーダーを作ろう |
10-2 | 普通のインベーダーから継承しよう |
10-3 | 「動くもの」フォーム |
前章で、インベーダーゲーム作成を通じて、フォームの複製 (生成) を学習しました。皆はすでに「インベーダー」フォームの複製によって、インベーダーを何機でも容易に増やせますね。これは大変便利でした。それでは、今までのインベーダーに何か機能を付け加えた新しいインベーダーを作成するにはどうしたら良いでしょうか。そっくり同じではないので、複製では困りますね。それでは、皆はもう一度始めから作り直すでしょうか…? もちろん可能ですが、少し面倒ですね。
このような場合、"以前作ったものはそのまま活用し (引き継ぎ)、新たに必要になった部分だけを書き加える"ことで新しいプログラムを作成することができれば、どうでしょうか。言うまでもなく大変効率的です。このようなプログラミング環境を実現することは長い間プログラマーの夢でした。そしてその夢がオブジェクト指向プログラミング言語によって実現されたのです。この"既存のプログラムを引き継ぐ"という機能を継承と言います。少しいかめしい表現ですが、意味は難しくありません。この継承はオブジェクト指向プログラミングの最も重要な概念であり、まさに神髄と言って良いでしょう。
本章では、今までのインベーダーに新しい機能を付け加えた"ボスインベーダー"を Delphi の継承機能を使って作成します。中身を読めば分かりますが、あっけない位に簡単に作成する事ができます。どうか、オブジェクト指向の"神髄"を味わってください。そうする (味わう) ために、テキストの説明を読みとばしたりせずにじっくり内容を確認しながら学習を進めて欲しいと思います。いよいよオブジェクト指向プログラミング学習のゴールが近づいてきました。もう一がんばりです。