第B章 文字列操作の基本

第B章の構成
B-1 OnChange イベント
B-2 文字列の長さの取得−Length関数−
B-3 文字列の取り出し(1)−Copy関数−
B-4 文字列の取り出し(2)−1文字の取り出し−
B-5 文字列の検索−AnsiPos関数−
B-6 ASCIIコード−Ord関数とChr関数−

【学習内容とねらい】

本章では、文字列に対する操作を学習します。

これまで文字列 (String 型) については、Edit.Textをその典型例として何度も扱って来ました。今さら改めて何を学習する必要があるのか、と不思議に思うかもしれませんね。しかし、これまでは文字列の連結を行っただけで、それ以外の操作についてはふれていませんでした。

実際に色々なアプリケーションソフトウェアを作成しようとすると文字列に対する様々な操作が必要になって来ます。例えばある文章から指定した文字列の検索を行う、あるいは入力欄に入力した文字列からその一部を取り出す、等々です。

そこで本章では、文字列の取り出しや検索を行う関数や手続きの用法を学習します。学習内容は基本的であり使用頻度が高いものに限っています。その意味でそれほど困難なく理解できるものと思います。そして、これらをマスターすればあとは皆のアイデア次第で色々と面白いプログラムを作ることができるはずです。

最後の B-6 節では、シーザ暗号という形式の暗号解読を例に採り上げています。コンピュータによる暗号解読あるいは暗号化の問題は、電子商取引における認証の問題と絡んで今改めて注目されています。ここでは、暗号理論を学習することはできませんが、コンピュータを使って暗号化あるいは解読する雰囲気は楽しむことはできると思います。ところで、暗号文「\rx#duh#juhdw$」はいったいどういう意味なのでしょうか? 答えは最後の【応用課題 B-4】を解くと分かります。ぜひ各自チャレンジしてください。