住所録の作成、理解も終わったところで、これからもっと複雑なデータベースアプリケーションが作成できるように、ぜひ覚えていてもらいたいことを勉強します。ここでは、リレーショナルデータベース、SQL、正規化、様々なデータベースコンポーネントと学んでいきます。どれも今後のステップのために必要なものですので頑張ってください。

4.1    リレーショナルデータベース

 データベースにおいて、データを管理するための構造をデータモデルと呼びます。現在利用されている多くのデータベース管理システムは、データモデルとしてリレーショナル型が採用され、BorlandDatabaseEngineでもリレーショナルデータベースが利用できます。リレーショナルデータベースとは、データベースに含まれるすべてのデータを表として表現するものです。多くの場合、複数の表を関連付けて利用します。関連付けを英語でリレーションということから、リレーショナルデータベースと呼ばれています。この関連付けをうまく利用すれば、データベース内の重複するデータを一つの表でまとめて管理できるため、データの一元管理が実現します。
    
 Delphiでは、表のことをテーブルと呼び、テーブルを構成する行と列をそれぞれレコード、フィールドと呼びます。上の図では、各個人のデータがレコード名前や性別など各個人が持つ属性がフィールドとなります。
 上の図を詳しく見ると、すべてのレコードで勤務先と職種というフィールドには互いに関連したデータが出現していることがわかります。そこで、下の図のように2つのテーブルに分けます。

 左上図のテーブルは、勤務先と職種に代わって、勤務先コードというフィールドを持ちます。一方、右上図のテーブルは、勤務先コードに対応する勤務先と職種のフィールドを持ちます。つまり、2つのテーブルは、勤務先コードという関係により結び付けられているわけです。これがデータの一元管理です。今回の住所録でも、リレーショナルデータベースを利用しているため、すでに勉強していたわけです。