第3章 変数と型

第3章の構成
3-1 「+」演算子 (1) -「エディット」による足し算-
3-2 「+」演算子 (2) -「スピンエディット」による足し算-
3-3 データの型
3-4 型変換 (1) -整数型と文字列型の相互変換-
3-5 型変換 (2) -「エディット」による足し算の完成-
3-6 改行・空白・コメント・大文字小文字
3-7 変数 (1) -変数としての Text プロパティ-
3-8 変数 (2) -宣言して使う変数-
3-9 実数型変数
3-10 定数 (1) -整数型定数-
3-11 定数 (2) -文字列型定数-
3-12 変数と定数 (1) -「スピンエディット」を作ろう-
3-13 変数と定数 (2) -「メモ」を使ってみよう
3-14 配列変数

【学習内容とねらい】

本章では、「変数」について学習します。変数といっても数学の方程式に出てくる変数とはちょっと意味が違います。プログラミングの世界では、変数とは、データの記憶 (格納) 場所のことを指します。…と言っても、まだピンと来ないかもしれませんね。しかし、実はすでに皆は「変数」に“遭遇”しているのです。

例えば、「エディット」コンポーネントの「Text」プロパティにはエディット欄に入っている“文字”が記憶されていますし、「Width」プロパティには“欄の横幅の値”が記憶されています。この意味でコンポーネントのプロパティは変数だったのです。

ただし、この「Text プロパティの変数」と「Width プロパティの変数」には大きな違いがあります。というのは、Width プロパティは「その値を2倍する」、あるいは「5を加える」などの計算 (算術演算) ができるのに対し、Text プロパティには算術演算はできないからです。ですからコンピュータの中で一律に扱うことはできません。どうやら、変数はその性質に応じて“タイプ分け”しておくことが必要なようです。そこで、「変数の型」という概念が現れます。

以上を念頭において、本章の各節を一つ一つ確かめながら読み進んで行けば、「変数」および「変数の型」の概念を理解することができるはずです。また、自分独自の変数をプログラム中で定義して使用することもできるようになります (これを「変数の宣言」と言います)。

変数はプログラミングの基礎中の基礎であり、また同時に初心者がつまずきやすいところでもあります。どうか、ていねいに流れを追いながら学習して行って下さい。本章を理解すればプログラミング学習の最初の“関門”を突破したことになります。